「私には取り柄がないから」
この言葉、何年ぐらい言っていたでしょうか。数えるのが怖いくらいです。
結婚前は銀行で働いていました。でも出産を機に退職して、そのまま専業主婦になりました。子どもが幼稚園に入ったらパートに出よう、と思っていたんです。ところが預け先が見つからず、その計画は消えてしまいました。
それから何年も、私は「働きに出る」ということ自体をあきらめていました。ブランクが長すぎる。パソコンも自信がない。私を雇う会社なんてない。そう思っていました。
でも、50代になって正社員の事務職に採用されました。土日休みで、今も続いています。
この記事では、6月に動き出してから内定をもらうまでの5か月を正直に書きます。かっこいい転職活動ではありません。途中でさぼっていますし、応募した会社はたった1社です。それでも動けた話として、読んでいただけたらうれしいです。
あきらめていた期間に考えていたこと

まず、なぜ何年も動けなかったのかを書きます。ここを飛ばすと「行動力のある人の話」になってしまうので、先にお伝えしておきたいのです。私は行動力のある人間ではありません。むしろ逆でした。動かない理由を、自分でたくさん用意していました。
「取り柄がない」が口ぐせだった
人に何かを聞かれると、まず「私、取り柄がなくて」と言っていました。謙遜のつもりでしたが、今思えば、あれは自分への言い聞かせでした。取り柄がないことにしておけば、動かない自分を責めなくて済みます。
ブランクの長さが、そのまま自信のなさになっていた
銀行で働いていたのは、もう遠い昔です。当時のやり方は、今どこにも残っていません。ブランクが長いほど、自分の中で「できないこと」が増えていきます。実際に試したわけでもないのに、です。
預け先が見つからなかった経験が、尾を引いていた
幼稚園に入ったら働こうと思っていたのに、預け先の問題でできませんでした。あのときの「やっぱり無理だった」という感覚が、その後もずっと残っていたように思います。一度うまくいかないと、次を試すのが怖くなるんですよね。
動き出すきっかけになったこと

では、なぜ50代になって動けたのか。劇的なきっかけがあったわけではありません。強いて言えば「2年前の自分が残しておいてくれたもの」に助けられました。ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。今すぐ動けなくても、置いておくだけで意味がある、という話です。
2年前に登録して、そのまま放置していたLINE
実は2年前、転職サービスのLINEに登録だけしていました。そのあとは何もしていません。通知も見ていませんでした。それが2年たって、ふと届いた1通から話が動き始めました。
「最初の一歩」は、思っていたより前に踏んでいた
私はずっと「何も行動していない」と思っていました。でも違いました。登録だけはしてあったんです。動けなかった2年は、無駄ではありませんでした。種だけまいて放っておいた、という感じでしょうか。
軽い気持ちで参加した面接会
届いた案内を見て、参加してみることにしました。「受かりに行く」という気持ちではありません。どんなものか見てみよう、くらいの温度でした。この軽さが、かえってよかったのだと思います。
動き出してから内定までの5か月

「応募したのは1社だけ」と書くと、あっという間に決まったように聞こえるかもしれません。でも実際は5か月かかっています。何をしていたのか、時系列で並べてみますね。派手なことは何もしていません。
6月:セミナーに申し込む
始まりは6月でした。東京しごとセンター多摩の事務職セミナーに申し込んだところからです。まだ何も決まっていません。とりあえず申し込んだ、という感じでした。
7月:セミナーに10日間かよう
7月から、そのセミナーが始まりました。10日間の講座です。月末には報告会もありました。いきなり応募したわけではなく、ここから始まっています。
そのうち1日は「企業体験」で、実際に会社を訪問して、1日そこで働かせていただきました。見学ではなく、体験です。何年も働いていなかった私が、まず1日だけ働いてみる。いきなり応募するより、ずっとハードルが低かったと思います。
このセミナーには、企業が会社紹介に来る時間もありました。これが後で効いてきます。
8月:ゆっくり休んで、月末に面談
8月は、正直ゆっくり休んでいました。月末に東京しごとセンター多摩のキャリアカウンセラーの方と面談をして、「次回までに履歴書と職務経歴書を書いてきてください」と言われました。
書いて、見てもらって、添削していただきました。この書類が、あとで思いがけない場面で役に立ちます。
9月〜10月:2か月ほど、止まりました
ここで止まりました。2か月ほど、応募らしい応募はしていません。ただ、ハローワークの求人票だけは見ていました。気になるものがあればチェックする。それだけは続けていたんです。
この2か月の話は長くなるので、別の記事に書きました。
→ 【正直に書きます】転職活動を2か月さぼった話
10月:LINEの案内が届いて、面接会へ
2年前に登録したきり放置していたLINEに、面接会の案内が届きました。応募して、参加しました。
会場に行ってみると、7月のセミナーで会社紹介に来ていた企業がいたんです。あのとき、その会社で実際に働いている方の話を聞いていました。とても活き活きされていて、働き方も良さそうで、良い印象が残っていました。
思わず、持っていた履歴書と職務経歴書を渡してしまいました。8月に書いて添削してもらった、あの書類です。
翌週:二次面接の連絡が来て、慌てる
翌週、二次面接の連絡が来ました。うれしいより先に「ヤバい」でした。面接対策を何もしていなかったからです。
慌てて東京しごとセンター多摩のキャリアカウンセラーの方に連絡して、面接の練習をしてもらいました。結果はボロボロ。「たぶん落ちるわね」と言われました。
10月末:同じ週に、内定の連絡
ところが、面接を受けた同じ週のうちに内定の連絡が来ました。「たぶん落ちる」と言われた数日後です。
6月に申し込んでから、ここまでで5か月。そして年明けの1月から働き始めました。
なぜ、応募が1社だけだったのか
気になっていた会社は3社ありました。でも同時に応募はしていません。まず1社目を受けてみて、落ちたら2社目、3社目を考えよう、と思っていたからです。
いっぺんに動くと、私は絶対に疲れてしまいます。1つずつでいい、と決めていました。結果として、その1社目に決まりました。
面接で何を聞かれ、何を話したのかは、別の記事に書きました。
→ 【50代の面接】内定の決め手は正直さでした
働き方はこう変わりました

採用が決まって、年明けの1月から働き始めました。生活は確かに変わりましたが、想像していたほど劇的ではありません。ここは正直に、良かったところと大変なところの両方を書きます。
週3〜4日・土日あり から 週5日・土日休み へ
これがいちばん大きな変化です。日数は増えました。それでも、生活は前よりずっと整いました。今もそう思っています。
前は飲食のパートをしていました。シフトの希望はなかなか通らず、気がつけばほとんど土日が勤務になっていました。
そして平日。表向きは空いているのですが、ほかのパートさんが急に休むと、私が出ることになります。休みのはずの日が、休みだと決まっていなかったのです。これでは予定が組めません。
今は週5日で日数こそ増えましたが、休みの日が動きません。動かない、というだけで、こんなに気が楽になるとは思っていませんでした。
久しぶりのWindowsに、戸惑いました
自宅ではMacを使っています。ところが新しい職場はWindowsでした。久しぶりのWindowsで、ショートカットキーひとつとっても勝手が違います。正直、心が折れそうになりました。
そこで、こう決めました。パソコンの操作も仕事の内容も、少しずつ覚えていけばいい。一度に全部できるようになろうとしないことにしたんです。
セミナーで習っていたことが、ここでも効きました
ただ、意外と迷わずに済んだ部分もあります。7月のセミナーで、WindowsのパソコンでWord・Excel・PowerPointの講義を受けていたからです。
あのときは「今さら習っても」と思っていました。でも実際に働き始めてみると、操作そのものでつまずくことはほとんどありませんでした。ここでも、先にやっておいたことが効いています。
4月にソフトが変わったときも、何とかなりました
今年の4月、会社で使うソフトがGoogle WorkspaceからMicrosoft 365に変わりました。またかと思いましたし、最初は少し戸惑いました。
でも、心配したほどではありませんでした。書類やチャットの設定はシステムの方が変更してくださいましたし、分かりやすいマニュアルも用意してもらえたので、思ったよりすんなり使い始められたんです。
会社が用意してくれるものは、ありがたく使えばいいんですよね。
それでも、今は普通に使えています。「覚えられない、どうしよう」ではなく、覚えるのに少し時間がかかるだけでした。
それでも、続いています
働き始めて9か月目になりました。今も続いています。あのとき「私には無理」と言って動かなかったら、この生活はありませんでした。
よくある質問

同年代の方から聞かれそうなことを、先にまとめておきます。どれも私が実際に不安だったことです。専門家の意見ではなく、あくまで私の場合はこうだった、という話として読んでください。
50代でも本当に正社員になれますか
なれた人がここにいます、としか言えません。ただ、私は特別な資格も、直近の職歴も持っていませんでした。それでも採用されました。
ブランクが長いと不利ではありませんか
会社員としてのブランクは、確かに長かったと思います。ただ私の場合、その間に小さいながら副業をしていました。やってきたことを包み隠さず話したのが、良かったのではないかと思っています。ブランクの長さより、空白の期間に何をしていたかを話せるかどうか、なのかもしれません。
たくさん応募したほうがいいですか
私は1社だけでした。数を増やすと管理が大変で、途中で疲れてしまうと思います。まず1社、でいいのではないでしょうか。
パソコンが苦手でも大丈夫ですか
私も自信はありませんでした。ただ、セミナーでWord・Excel・PowerPointを習っていたので、操作でつまずくことは少なかったです。それでも分からないことは出てきますが、少しずつ覚えていけば何とかなります。できるようになってから応募しよう、と思っていたら、一生応募していなかったと思います。
何から始めればいいですか
登録だけしておく、で十分だと思います。私の場合、それが2年後に効きました。今すぐ動けなくてもいいんです。
まとめ

50代・ブランクあり・パソコン苦手。それでも正社員になれました。特別なことは何もしていません。
- あきらめていた期間は、何年もあった
- 2年前に登録だけしておいたLINEが、きっかけになった
- 検討3社・応募1社。数は少なくてよかった
- 途中で2か月さぼっても、間に合った
- 週3〜4日・土日勤務 から 週5日・土日休みへ。休みが動かないのがいちばん大きい
- パソコンは、セミナーで習ったことが効いた。残りは少しずつ覚えた
もし今「私には取り柄がないから」と思っている方がいたら、登録だけでもしてみてください。使わなくてもいいんです。2年後の自分が助かるかもしれませんから。


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